夫「なんで泣いてるの?」
私「来週の金ローでハリポタやるから…」
夫「は???」
こんにちは。金曜ロードショーでハリー・ポッターが放映されるという情報によって脳内のハリポタメモリーが刺激されてこの記事を書いています。(2021年11月26日、12月3日の二週連続放送です)
ここからは一般人のアラサー主婦がひたすらハリポタ愛をぶちまけるだけの内容になります。ナチュラルにネタバレも出てきます。シリーズ未履修の方はご注意下さい!
ハリーと一緒に成長してきたわたし
ハリーポッター、最高ですよね。小説も映画も大好きです!
わたしはわりと小さい頃から本をよく読む子供だったので、大人になった今でも児童向けファンタジーが好きです。その中でもハリーポッターは特別です。読み始めた頃はまだシリーズが完結しておらず、毎年新作が刊行されていました。(1巻~4巻までは毎年で、3年おいてから刊行された5巻~7巻は1年おきの発売でした。)
ハリーポッターは魔法使いの男の子が主人公の物語で、魔法学校入学~卒業までの7年間が全7巻にわたって書かれています。1巻ごとに作品内で1年経過するため、第1巻「ハリー・ポッターと賢者の石」で11歳だったハリーは最終巻の7巻では17歳まで成長します。
「魔法学校で過ごすハリーの1年間」をドキドキわくわくしながら読んで、また次の年には1歳成長したハリーの冒険を読める。子供だったわたしにとってハリーは1年に一度会える友達で、一緒に育った学友のような存在でした。
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聖地巡礼もしました。 イギリスのキングスクロス駅にて。
今は移設改装されてカートももっと凝った作りになってるようです。専門のスタッフがいて衣装の貸し出しなんかもあるみたいで… 見比べるとこの写真はパチモン感があります。
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映画は原作過激派にも自信をもっておすすめできます。
「ハリー・ポッター」シリーズは世界的なヒット作品だったので、発売されるたびニュースに取り上げられたり関連商品が展開されて話題になりました。原作を追いかける形で公開された映画も大ヒットしました。
映画のおかげで、小説を読むときのハリーたちの脳内ビジュアルイメージも早々に固まりましたよね。
作品情報:ハリー・ポッターと秘密の部屋 ――Warner Bros. Japan
ダニエル・ラドクリフ、ルパート・グリント、エマ・ワトソン。ハリー、ロン、ハーマイオニーを演じた3人。この3人しか勝たん!(急なバカでか大声)
小説から入った組としては限られた上映時間内にエピソードが詰め込まれる映画は物足りなく感じる部分もありますが、それを差し引いてあまりある魅力があります。
欲を言えば ハリポタは何気ないシーンに重要な要素が散りばめられていたりするので、欠片も削らず1作品につき上映時間12時間くらいで作っていただいても全然構わなかったですけどね。飲まず食わずで観続ける覚悟はあります。
ハリーポッターの映画は、原作者の意向が関わる部分もあったようです。原作者がノータッチで好き勝手に作られた作品では無いので「神(作者さま)が作りし世界しか認めぬ…」という原作過激派の方にも是非みていただきたいです。
セブルス・スネイプのことを思うと情緒が爆発するのわたしだけですか
映画に作者の意向が反映されているという話をしましたが、中でもわたしの情緒が一瞬で破壊されたエピソードがこちらです。
I told Alan what lies behind the word 'always'. https://t.co/NHTJ5J6kxb
— J.K. Rowling (@jk_rowling) January 18, 2016
訳:私はアランに”Always”という言葉の裏に隠された意味を教えたの。
これはスネイプ先生を演じたアラン・リックマンが亡くなった際の作者のJ.K.ローリング神のツイートです。
アラン・リックマンは生前、スネイプ先生を演じるにあたって作者から「スネイプがどういう人物かのヒント」をもらっていたそうです。その情報とはどのようなものか?というファンからの質問への返信です。
“Always”。最終巻「ハリー・ポッターと死の秘宝」でのスネイプ先生の言葉です。松岡佑子さん翻訳の日本語版小説では「永遠に」と訳された、あの言葉ですね。
もっと具体的にシーンの説明をすると、
ダンブルドアがハリーの運命について語った場面。ハリーが生きている限りヴォルデモートは死なないと明かされたスネイプは「それでは時期がきたらハリーは死ななければならないのか?死ぬべき時に死なせるために育ててきたのか?」と怒りを見せます。
スネイプの言葉を受け「ハリーに情でも移ったか?」と聞いたダンブルドアに、スネイプは守護霊召喚の魔法を見せます。召喚された守護霊は、ハリーの母親であるリリーと同じ牝鹿。守護霊は召喚する人の本質が顕在化されるといわれています。リリーへの愛を示すこれ以上ない証明です。
そして、スネイプの守護霊を見て驚いたダンブルドアの「これほど時間が経っていてもなおリリーを愛しているのか?」という問いに答えたスネイプのセリフが「永遠に。(Always)」です。
今これを読んでいるハリポタ好きの方、脳内でセブルス・スネイプの生き様が甦り涙があふれていませんか?大丈夫ですか?書いているわたしは涙でモニターが見えません。ハリポタの好きなセリフは色々ありますが、思い出して胸が苦しくなって情緒が爆発するセリフ第一位はこの「Always」か「Look at me」ですね。(どちらもスネイプのセリフです。)
映画第一作目が公開された時点では原作はまだ3巻までしか出ていませんでしたから、作者から演技のヒントとして人物像を教えてもらった上で演じたアラン・リックマンのスネイプ先生。この背景だけで見る価値ありまくりですよね。
「彼女にとって、私が演じる役を把握するということはとても大事なことだっただろう。与えてくれた“情報”はほんのわずかだったが、複数の意味があるのだと分かり、大いに役立った。彼は人間であり、機械人間ではない。ハリーを守りたいという気持ちも感じとることができたし、それを上手く表現しようと努力した。彼が二重スパイだということは知らなかったけどね」
「ハリポタ」原作者J・K・ローリングが故アラン・リックマンに伝えた“情報”とは? ――tvgroove
ハリポタの伏線、見事すぎん?
伏線が多いことでも知られているハリポタ。重要な要素を何気ない場面にしれっと仕込んでいたり、ハチャメチャに遠投の伏線があったり、因果関係の絡ませ方が本当に上手なんですよね。ひとつひとつ語ろうとするとキーボードを打つわたしの手が死ぬので、1つだけ。わたしが一番「なるほど…!」と思った伏線の話をします。
「最終対決でハリーが勝てた理由に絡んだ伏線」
これです。いや主人公が悪役に勝つのは当然やろ?友情・努力・勝利やろ?と思うかもしれませんが、最終対決時点での実力はヴォルデモートの圧勝だったと思います。
最終対決は1対1で呪文をぶつけ合うタイマン状態で、ヴォルデモートが放ったのは死の呪文「アバダケダブラ」、対するハリーが放ったのは武装解除呪文「エクスペリアームズ」です。実力差通りであれば力で劣るハリーが押し負けたはずです。
そうならなかった理由はヴォルデモートが使用した「ニワトコの杖」と「死の呪文」にありました。
伝説の秘宝であり最強の杖であるニワトコの杖は忠誠心が非常に強く、杖が認めた所有者が使用した場合に力を発揮します。その「忠誠心」を得るための手段は「所有者と戦って勝つこと」です。所有者に勝たずにただ「所持する」だけでは杖の主にはなれず、杖の忠誠心は元の所有者に向いたままの状態となります。
もちろんヴォルデモートは前の持ち主を殺したため、杖の忠誠心は自分にあると思っていました。しかしそこで想定外の事態というか怒涛の伏線ラッシュが発生します。
まず、最初に杖を所有していたのはダンブルドアです。そのダンブルドアをスネイプが殺し、スネイプはヴォルデモートに殺されました。本来であればここで忠誠心はヴォルデモートの元にいったはずです。
しかし、実はスネイプがダンブルドアを殺した時点で杖の忠誠心はダンブルドアに無く…マルフォイにありました。
最終決戦より以前、ヴォルデモートにダンブルドア殺害を命じられていたマルフォイは、殺しきれずに武装解除呪文をぶつけていました。そのときに杖はダンブルドアが敗北したとみなし、忠誠心を移していたのです。
ダンブルドアは杖の所有権が自分にある状態で死ぬことで危険な力を永久に封じるつもりでいたためスネイプに自身の殺害を依頼していて、実際にスネイプに殺されましたが…その時点で本人も気付かないままにマルフォイが杖の忠誠心を得ていたのです。
その後、マルフォイはハリーと戦った際に敗北しています。このような流れで、ヴォルデモートとハリーの最終対決時、杖の忠誠心はハリーにありました。
ヴォルデモートは「ニワトコの杖」を使って、本来の所有者であるハリーに「死の呪文」をぶつけたことになります。その結果どうなったかというと…杖は忠誠を誓う本来の所有者を殺すことを良しとするはずがなく、呪文はヴォルデモートに跳ね返りました。
つまり、実力差ではるかに劣るハリーが勝てた理由は「ヴォルデモートが自滅したから」です。主人公パワーでなんとかなったわけではないんですね。
思うに、もしもヴォルデモートが使用したのが「死の呪文」ではなくハリーと同じ「武装解除」だったとしたら実力差そのままにヴォルデモートが勝っていたのではないでしょうか?
ニワトコの杖は忠誠心が無い状態でも使用することは可能です。武装解除程度の呪文であれば、杖の忠誠心を無視してパワーでゴリ押しできる実力がヴォルデモートにはあったはずです。即死攻撃だったからこそ、杖の忠誠心がフルパワーで発揮され呪文が跳ね返ることになったのでしょう。
魔法界で使用を禁止されている死の呪文はシリーズ開始初期から存在が知られていて、闇の陣営以外は使用することのない禁断呪文として恐れられてきました。最後にその呪文を選んだからこそヴォルデモートは敗北したというのも深いです。
この「ニワトコの杖の忠誠心をめぐる伏線」と、「闇の帝王は死の呪文の使用を畏れなかったからこそ敗北した」という因果関係は本当に見事だと思います。
この他にも、裏の主人公としてのネビルの存在とか、なぜハリーは生還できたのかとか、ヴォルデモートが生にしがみついて選択してきた結果が最終的にことごとく裏目に出てる因果とか…ハリポタの伏線について書きたいことは本当に本当に大量にあるのですがわたしの手が疲労骨折してしまうので控えます。
世界観にはまりこみすぎるゆえに別れがつらすぎてつらい
ここまで読んでいただいて伝わるかもしれませんが、ハリポタは最高に面白くて設定が細かくて深いので「おかしいな、わたし11歳はとうに過ぎてるのに魔法学校の入学通知が届かないぞ?」とナチュラルに疑問に思ってしまうほど世界観にはまりこんでしまいます。頭の中がホグホグホグワーツ。
それゆえに、シリーズ後半で闇の陣営との戦いが激化してきはじめてからの怒涛のお別れラッシュではメンタルがバチボコに殴られまくります。並みの精神じゃ耐えきれません。白状しますが、わたしはヘドウィグが死ぬシーンをいまだにしっかり読めていません。無垢なるものの死はなぜこんなにつらいのか…
わたしは基本的に「みんなしあわせ!めでたしめでたし!」なストーリーが好きです。一番好きな漫画はドラゴンボールです。(「でぇじょぶだ、ドラゴンボールで生き返る」から)
そんなわたしが、辛い別れが複数あっても変わらずハリポタを大好きでいられるのもまた世界観の深さゆえなんですよね。「まぁフィクションじゃないんだし生物はみないつかは死ぬよね…」と思えます。いやフィクションですけどね。そう思えるくらい、もう一つの現実世界感があるということです。
わたしがいまだに薄目でしか読めていないヘドウィグの死について、作者のJ.K.ローリング神は「純粋さや平和が失われることを表現していて、子供時代の終わりを意味する」と語っていたそうです。物語上必要なことだったと。
物語の初期からがっつり伏線が貼られていたり、登場人物それぞれに人物像を形作る背景や歴史があったり…そういうことの積み重ねで大好きなハリポタの世界観が深められていっているのがわかるので、大好きなキャラクターの死もそれを深める意味ある要素のひとつになっているんだと受け入れられます。つらいけど。悲しいけど。なんでなん?ドラゴンボールをあの世界に投げ入れたい…あれ全然受け入れられてないな?
とにかく、後半のちんどい悲しみラッシュも込みでハリポタを愛してますということが言いたかったんです。
作者のJ.K.ローリング様、ハリー・ポッターをこの世に生み出してくれてありがとうございます。
Thank you for creating Harry Potter in this world.
(J.K.ローリング神には日本語が通じないので英語で書いておきました。気遣いの鬼ですね!)
というわけで、つらつら長々とハリーポッターについて語ったこの記事はこのへんで終わりにします。
ここまで読んでいただきありがとうございました!
最後に本日のピックアップアイテムを紹介しておわります。
ピックアップアイテム!
■映画「ハリー・ポッター」全8作品 Blu-rayセット
8枚組なので省スペースで所持できるのが魅力的ですね。
原作本をハードカバーで持っている人にとっては8枚組だろうが8巻分だろうがBlu-rayの厚みなど微々たるものですけどね!ひととおり観たあとはスネイプ先生の演技だけに注目してみるのもオススメの楽しみ方です。
■「ハリー・ポッター」原作小説 文庫版全巻セット
ハードカバー本よりは省スペースだし軽いので読むときに手がつかれないのが魅力的ですよね。
ハードカバーは実家に置いてあるという人も多いと思うので、文庫の方を気軽にお菓子食べながら読んでも良い用として手元に置いておくのも良いかもしれませんね!
ではまた次回。
是非ほかの記事も読んでいただけたら嬉しいです。